スポンサーリンク

インボイス制度 免税事業者からの仕入れにおける経過措置について

消費税

はじめに

前回はインボイス制度について説明しましたが、今回はインボイス制度が導入された後の経過措置にスポットを当てて解説していきたいと思います。

まず、ここでは税金についてあまり詳しくない人向けの記事になるので最初にこの記事でも使用する用語についてご紹介します。

・課税事業者…消費税を納める必要がある事業者

・免税事業者…消費税を納める必要がない事業者

・仕入税額控除…売上に係る消費税から仕入れに係る消費税を控除すること

今回は、上記3つの用語の意味を理解しておけば分かるような記事となっております。

消費税の納税額を計算する仕組み

インボイス制度の経過措置について説明する前に、そもそも消費税の納税額がどのように計算されているのかを理解していないと、インボイス制度の経過措置を説明しても意味不明になると思いますので、最初に納税額の計算方法について解説していきたいと思います。

消費税の納税額は、売上に対する消費税から仕入れに対する消費税を差し引いた残額が、税務署へ納める消費税の納税額となります。

例えば、リンゴを1個100円(税抜金額)で仕入れて、500円(税抜金額)で販売したと仮定します。

この場合、売上高は税込550円であり、仕入高は税込110円となります。

消費税の納税額は、前述したように売上に対する消費税から仕入れに対する消費税を差し引いた金額が納税額となる為、売上に対する消費税50円(500円×10%)から仕入れに対する消費税10(100円×10%)の差額40円を、国へ納めることになります。

このように、売り上げに対する消費税額から、仕入れに対する消費税額を控除することを、仕入税額控除といいます。

それでは、インボイス制度が導入された場合の取り扱いについて次節で解説していきたいと思います。

インボイス制度が導入された場合の免税事業者からの仕入れ

現在の消費税制度においては、免税事業者からの仕入れでも、課税事業者からの仕入れでも、仕入税額控除の適用を受けることができます。

しかし、インボイス制度が導入された場合、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則としてインボイスの保存が必要となります。

インボイス発行事業者は、必ず消費税の課税事業者に該当します。

よって免税事業者は、インボイスを発行することができません。

すなわち、免税事業者からの仕入れは、仕入税額控除の適用を受けることができなくなります。

そのため、これまで免税事業者だった人は取引から除外される可能性があることから、インボイス制度が導入される事による影響は非常に大きいものと考えられます。

免税事業者からの仕入れに対する経過措置

上述したように、インボイス制度が導入された場合、免税事業者からの仕入れは、仕入税額控除の適用受けることができなくなります。

しかし、インボイス制度の導入は令和5年10月1日からであることから、あまり時間的余裕はありません。

そこで、インボイス制度開始後6年間は、仕入税額控除の金額を段階的に小さくしていく経過措置が設けられております。

第一段階としては、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの免税事業者からの仕入れについては、80%が仕入税額控除の適用を受けることができます。

第二段階としては、令和8年10月1日から令和11年9月30日までの免税事業者からの仕入れについては、50%が仕入税額控除の適用を受けることができます。

激変緩和措置として、インボイス制度が開始される6年間はこのような経過措置が設けられております。

さいごに

今回はインボイス制度が導入された後の免税事業者からの仕入れについて適用される経過措置を解説しました。

免税事業者の方は、インボイス制度導入後、このような経過措置が設けられていることから、令和11年9月30日まではインボイス発行事業者に慌てて登録しなくても良いかと思います。

それでも、悩まれる方は最寄りの税務署や税理士へ相談することをお勧めします。

関連記事

インボイス制度については以下の記事もありますので、参考になれば幸いです。

インボイス制度について

インボイス制度 簡易インボイスについて

コメント

タイトルとURLをコピーしました