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フリーランスの方必見! 副業収入の所得範囲について

所得税

はじめに

働き方改革や新型コロナウイルス流行に伴い、会社に勤務している人はリモートワークなどが普及してきたことによって、自由な働き方をしている人が急増しております。

このような背景から、本業だけでなく、隙間時間を利用して副業をしている人も増えてきており、フリーランスの方からどのように確定申告をすれば良いかといった相談も増えてきております。

今回は、国税庁が公表した改正所得税基本通達より、副業収入に係る事業所得と雑所得の範囲について解説していきたいと思います。

事業所得と雑所得

事業所得とは農業、漁業、製造業、卸売業などの事業による収入を言い、要するに、個人事業主がおこなっている商売による収入を指します。

雑所得とは、国税庁のタックスアンサーより、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が挙げられます。

事業所得と雑所得のどちらで確定申告をした方が税務上、有利になるかといった場合、結論としては事業所得として確定申告した方が有利になります。

理由としては、事業所得で申告した場合、雑所得では認められない以下の税務上の特例を受けられるためです。

・青色申告特別控除

・給与所得との損益通算

・青色事業専従者給与

・純損失の繰越し、繰り戻し

上記特例の詳細な説明は今回の記事では割愛しますが、事業所得として確定申告をした方が、税務上のメリットを享受することができます。

よって、雑所得より事業所得として確定申告をした方が良いということになります。

今回のテーマである副業収入の範囲が、事業所得なのか、雑所得なのかという点について、国税庁は雑所得について、令和4年8月1日の「所得税基本通達の制定について」より、雑所得の範囲を、収入金額300万円未満は雑所得の範囲とすると公表しました。

この改正に対して、副業を推進する政府の方針に逆行するものではないか、この通達改正は増税ではないかといった意見が多く寄せられました。

この意見を受け、国税庁は雑所得について、「その所得に係る取引を得る活動について、一般的に営利性、継続性、企画遂行性を有し、社会通念での判定において、事業所得に区分される場合は多いと考えられます。」と解説しており、これは会計帳簿の保存、記録を行い、取引の根拠となる請求書や領収証などを保存していれば、事業所得と認められるということを規定しています。

以下では、この帳簿書類について解説していきたいと思います。

副業収入の帳簿書類について

上述したように国税庁が公表した改正所得税基本通達では、副業による収入の範囲として、事業所得と雑所得の区分について明確な基準が公表されました。

帳簿書類の具体的な内容は、事業の取引やお金の動きを記録する書類のことであり、事業所得者に義務付けられている帳簿書類と同様のものを保存する必要があります。

この帳簿に関して、ノートやExcel等を利用して保存することは、必ずしも求められないケースもあるようです。

帳簿に求められる記載内容としては、取引を行った年月日、取引先の名称、金額等が挙げられ、これらがしっかりと記録されていることが要件となります。

よって、上記内容の記載事項が整然かつ明瞭に記録されている場合、わざわざノートやExcel等に記録し、保存することまで求められていないようです。

例としては、副業による収入が銀行口座などに振り込まれる場合には、通帳に入金内容が記録されていれば、通帳を帳簿として保存していれば帳簿保存という要件を満たし、わざわざ同じ内容をノートやExcel等に記載しておく必要はないということになります。

ただし、注意が必要になるものとして、副業収入が動画配信サービスなどによって広告収入を得ている場合、配信会社によっては、そのサイト上で収益レポート等として入金される収入金額を推定で表示する機能があります。

このような推定金額の場合には、実際の振込金額と異なることが多いことから、このような収入レポートを帳簿として保存することは認められていないようです。

なお、収支を記録した帳簿書類の保存があった場合には必ず事業所得と判断されるのではなく、収入金額が僅少な場合や、営利性が認められない営業活動等の場合には、個別に事業性を判断することになるようです。

さいごに

副業による収入が事業所得と認められるのか、雑所得と認められるのかは、帳簿書類の保存が非常に重要になってきます。

本業の場合でも、副業の場合でも、取引の根拠となる請求書や領収証などの保存をしっかりとすることが今回の改正からも理解することが出来るので、事業をしている人は帳簿書類の保存はしっかりとしておく必要があります。

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